あまかみ1たちは、

(16)伊耶那岐命いざなきのみこと(17)伊耶那美命いざなみのみこと

この二柱の神に「この漂っている国を整えて、固めなおせ」と仰り、あま沼矛ぬまほこ2を与えて委任しました。

それで二柱の神はあま浮橋うきはし3に立ってその沼矛ぬぼこ4をさしおろして、かき回しました。海水をコオロコオロととかき鳴らして引き上げた時、その矛5の先から滴り落ちた海水が重なり積もって島となりました。

これが淤能碁呂島おのごろしま6です。

二柱の神は、その島7に天から降り立ち、あめ御柱みはしら八尋殿やひろどの8を建てました。

そこで(16)伊邪那岐命いざなきのみことが、妹の(17)伊邪那美命いざなみのみことに尋ねました。
「あなたの体はどうなっていますか?」

(17)伊邪那美命いざなみのみことは答えて言いました。
「私の体はすっかりできているのですが、できていない部分が一か所だけあります。」

すると(16)伊邪那岐命いざなきのみことが言いました。
「私の体もすっかりできていて、余っている部分が一か所あります。だから、その私の余っている部分であなたの足りない部分をふさいで、国を生むというのはどうでしょうか?」

(17)伊邪那美命いざなみのみことは答えて言いました。
「それが良いと思います。」

そこで(16)伊邪那岐命いざなきのみことは言いました。
「それならば、私とあなたとで、このあめ御柱みはしらを別々にぐるぐると回って、出会って、夫婦の契りを交わしましょう。」

そこで(16)伊邪那岐命いざなきのみことはこう言いました。
「あなたは右から回って来なさい。私は左から回って出会いましょう。」

そう約束して回り終えたとき、(17)伊邪那美命いざなみのみことが先にこう言いました。
「あなたは、なんて素敵な男でしょう。」

それに続いて、(16)伊邪那岐命いざなきのみことが言いました。
「あなたは、なんて素敵な女性でしょう。」

言い終えた後、(16)伊邪那岐命いざなきのみことは、妹の(17)伊邪那美命いざなみのみことに告げて言いました。
「女が先に声をかけるのは良くない。」

そうは言いながらも、ふたりは契りをかわし、(18)水蛭子ひるこを生みました。
しかし、その最初の子9は、あし10で作った舟に乗せて流してしまいました。

次に淡嶋あわしまを生みましたが、この子もまた、正式な子とは認められませんでした。

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